時折、物を所有することに虚しさを覚える。
そんなにそれは大事なのか?そこまでして持っていたいのか?そんなものより、もっと大切なものがあるんじゃないのか?
長らく放置していた古いパソコンのバックアップを取ろうとした。
と言っても、そのパソコンでは別に仕事をしていたわけじゃないし、創作をしていたわけでもない。
主なデータは、昔聴いていた音楽だ。
取捨選択をするのもめんどくさい。ええい、とりあえず Dropbox に 突っ込んでおこう!
……いやあ、アップロードに時間のかかることかかること。しかも、容量の限界で全てはアップロードできない(無料会員なのだ)。
ああ、イライラする。なぜ私は、わざわざこんなことをしているんだ。
アップロードの進捗を見つめる。よくあることだが、見つめれば見つめるほど進まない。
そして、冒頭のようなことを思ったのだ。
別に、こういう思いをしたのは初めてじゃない。むしろ、慣れっこだ。
同じように考えて、本を処分したこともあったし、服を処分したこともあった。かつてのコレクションを処分したこともあった。今回は、その対象が音楽データだった、というだけだ。
私は別に物を愛しているわけではない。特定のアーティストを愛しているわけでもない。過去の自分を愛しているわけでもない。
捨ててしまえば何も考えなくて済む。
捨ててしまえば何も悩まなくて済む。
捨ててしまえば後ろを向かなくて済む。
私は、重い荷物は背負えない。
そんなにそれは大事なのか?
そこまでして持っていたいのか?
そんなものより、もっと大切なものがあるんじゃないのか?
私に、大切なものなんてあったっけ?